彼女との出会いは、仕事の仲間達との飲み会。彼女のことは一度見たことがあるのと、仕事の電話で少し話くらいで、さほど面識もなかった。彼女は少しポッチャリで可愛いわけでもない。結婚はしていたが子供はいなかった。
飲み会のときに、僕と仲良かった後輩を異動先で彼女がすごく面倒を見てくれていることを知り、いい人なんだと感じた。飲み会の場も盛り上げてくれていて、気も利く人なのだと思った。その飲み会では、彼女とは連絡先を交換することはなかったが、仕事の電話を良くするようになり、連絡先を交換することができた。
メールや電話をするようになり、仲良くなったので一度飲みに誘ってみた。最初のうちは仲間達と行こうと言われていたが、二人で飲んでくれることになった。自分も結婚しているため、女性と二人で飲むことは結婚してから初めてであった。
彼女と出会ってから2ヶ月がたとうとする頃、普通の居酒屋の個室で二人で飲んだ。最初のうち彼女は恥ずかしがりながら、顔をメニューで隠したりしていたが、仕事の話しや後輩の話で盛り上がり、打ち解けるまでには時間がかからなかった。僕の誕生日が近かったことも知っていてプレゼントまで用意してくれていた。
居酒屋を出たあと、二人で夜景を見に行った。夜景も何年かぶりだった。自分の中では彼女に対する恋愛感情はなかったが、酔っていたせいもあり、手を繋ぎハグをした。
この日をきっかけにお互いの仲は急激に近づいた。いつのまにか恋愛感情が芽生えてきた。二人で会う機会も増えた。
泊まりでの研修のときは、研修が頭に入らないくらい、ワクワクドキドキしていた。夜もみんなとの飲み会を抜け出し、二人で語り合った。学生が恋するような初々しい感じさえあった。
仕事の仲間達と泊まりで出掛けたときも、二人で秘密をもっていることが、すごく幸せだった。仲間に気付かれないように、友達として振る舞う。そんなことでさえ楽しかった。
体の関係を持つまでは、少し時間はかかった。それはちゃんと恋していたからだった。
エッチだけが目的でもなく、割り切りでもない。本当にお互いに愛し合っていたのだった。
