絶食系の男でもない限り、下心が全くないというのは非常に希だと思う。
問題はその下心を実際に満たそうと行動に移すかどうかだ。
常識のある男ならば女性の気持ちを優先する。
女性がその気になったり、据え膳を仕掛けてきたりすると、下心が刺激されたりする。
そして、実際の行動に結び付くことがある。
しかし、「常識」とか「その気」とかそのようなものは、個人差がある上に明確でないことが多い。
それゆえに自分勝手に盛り上がるのは失礼でありリスクもある。
時間をかけて確認する必要がある。
思うに、下心は男ほど多数ではないにしても女性の側にも同程度のものがあると思う。
男女の付き合いの中では、両者の下心の付き合わせとレベル合わせが必要であり、最大公約数的なレベルで両者が妥協するのだと思う。
この最大公約数が大きいと非常に良好な関係 ー つまり、趣味が合うということになる。
この最大公約数が小さいとすれ違いが起こりやすい。
ただし、ここまでは気持ちの相性だけの問題であり、実際の体の相性が良いかは次の次元になる。
しかし、良好な関係になる第一歩ではある。
お付き合いを深めると、下心はいつかはお相手に明らかにせねばならない場面が来ると思う。
むしろ、そのような場面がなければ関係を深めることはできないと思う。
不幸なのは夫婦になる前に下心を露にして付き合わせることを怠った場合である。
最大公約数が非常に小さいにもかかわらず結婚すると、レスに陥るのかもしれない。
下心というのは一種の本音であり、下心を相手に露にしていないというのは、本音で付き合っていないことになる。
夫婦であるにもかかわらず、本音で語り合っていないというのは破綻の始まりではないだろうか。
人は動物であり、かつ、セックスに快楽が伴うという特殊な動物であり、セックスに生殖以外の目的を見いだしている以上、この点を本音で話し合うことは避けて通ることができない。
QAサイトを眺めると、この問題は老若男女の永遠の課題であることが容易にわかる。
「下心」をことさら「悪」の心として糾弾するのは、むしろ奇異なことであると思う。
TPOに応じて下心をうまく処理できるのが「大人」であり、その「大人」の付き合いが「大人の関係」ということではないかと思う。